2022年
12/31
2022年はわりと書きました
細かなものが多かったですが、ひさしぶりに棺桶から出てきた気持ちです^^
ツイッターなどにお話を書いてすぐに感想をいただけたのが力になりました。読み手さんの力は大きいです。ありがとうございます
*表に「スイートスイート天天」と「パンプキンナイト」が入れられなかったので割愛しました
6/4
ようやく6月になりました。
先日別ジャンルのアンソロに申し込んだところ、参加できるのかどうか、10日経ってもお返事がなく、原稿はできていたのでこちらから連絡すると、とりあえず画像を送ってくれと言われ送り、送ったら送ったで、またそのまま放置……
いつまで待てばよいのか、どうなるのかわからず、あまり気分がよくありません。
去年、黒執事でアンソロがありましたが、そのときの主宰さまはとてもしっかりしていて、問い合わせるとすぐに返信があって、安心して原稿をお渡しできました。
ジャンルや人によって対応が違うのだなと痛感しました。まだまだ勉強不足です。
8月発行予定の本が決まりました。支部で2話まで掲載している近未来AIもの「おやすみ、セバスチャン」です。完結します。
以前アンケートで伺った2タイトルと違ってしまって申し訳なく思っています。
なぜだかこちらのお話が動いてしまったので、どうかご容赦ください。
このお話は2015年に着想したものの、そのときの私には書けなかったのです。
諦めていたお話が、書き上げられそうなのはとても嬉しい。
AIセバスチャンと共に、がんばります。
5/12
書くことに興味を失ってしまいそうで、不安です。
それは物語を綴れない、という恐怖ではなくて、これまで9年間、私を支えてくれた杖がなくなってしまうという怖さです。
もしかすると、もうその支えはいらないのかもしれません。それでも……できれば「輝く月の夜に」シリーズの最終話と、「真珠潭」は仕上げたいと思っています。
ただその気持ちも薄れていったら、そのまま未完になってしまうかもしれません。できるだけがんばりたいと思いますが、モチベーションが続くかどうか。
ツイッターもこの頃はあまり見なくても平気になり、年初の『ツイッター中毒からの脱出』、という目標を達成しつつあります。
5/8
別ジャンルで、本を作るのって大変だ!と字書きさんたちがわいわい賑わっているのを見て、ああ、確かに本にするのってパワーを使う…と思いました。
ウェブに上げるときは、とにかく出来立てホヤホヤのを読んでいただきたい!という一心で、言い回しとか多少ゆるくてもポーンと出してしまうのですが、紙の本にするとなると、そうはいかなくて。襟を正して、きちんと作らねばと思ってしまうんですよね。それはよいことでもあり、悪いことでもあり。作るのに腰が重くなってしまう理由のひとつでもあります。
創作パワーがまた一段と減ったこの頃は、「本にしなくてもwebでよいかなぁ」などと怠け心が出て来て。書いたものは自分の記録として、できるだけ紙の形にしておきたいのですが……
5/7
サイトのリンクを貼り替えています。いま目次から飛べなくなっているかと思いますが、数日で作業は終わりますので、よろしくお願いいたします。
5/2
毎日、ちゃんと生きています^^
4/28
老猫の月命日です。
亡くなったのが2020年の12月ですから、もう一年と四ヶ月経ってしまいました。昨日27日、ネットを見ていたら、亡くなったペットから飼い主さんへのメッセージを聞いて伝えます、という霊媒師さんのページが出てきて、レビューをじっくり読んでしまいました。
ペットにひとつだけ質問できるとのことなので、なにを故老猫に聞きたいか、いろいろと考え、そうしているとあれこれと思い出して、泣いてしまいました。
どうして今日に限って、こんな風になるんだろうと思っていたのですが、今朝目覚めたとき、「あ、今日は月命日だ」と気づき、もしかしたら老猫の「忘れないでね」というメッセージだったのかもしれないと思いました。
普段、生き物には魂なんてなく、亡くなったら幽霊にもならず、ただ消えるだけだと思っているのに、急に亡き猫からメッセージがきたと思うなんて……勝手なものですね。
さて。
昨年9月、黒執事アンソロジーに寄稿させていただいた「愛しい人」を、4/23「死神派遣協会の日」に、期間限定で公開いたしました。
ピクシブのほうはもう下げていますが、サイトではしばらく公開しますので、よろしかったらお読みになってみてください ★
葬儀屋さんがとある娘に恋に落ち、しかしその恋は……という物語です。
彼がビザール・ドールにこだわる理由を考察し、お話に綴りました。葬儀屋さんに寄り添って読んでいただけたら嬉しく思います。
4/4
先月、私の誕生日に描いてくださったともみゅさんのイラストを、宝物のページに掲載させていただきました。「夜道」からイメージしてくださったイラストです。ありがとうございます
4/2
また猫と一緒に暮らしたいな
4/1
あっという間に4月です。
体調がすぐれないのはもはや毎日のこととなり、ツイッターは病状報告のような感じになっています笑
さて先日ツイッターで、今年出す本は「真珠潭完結本」「エディンバラ再録本」のどちらがよいですか的なアンケートをしましたところ、同数となりまして、びっくりしました。どちらかというと、未完の真珠潭の完結を望む方が多いのではと予想していたのです。
それに、エディンバラはとても好きな物語なのですが、なにせシリアス展開が多いので、読み手さんには敬遠されているかもしれないと勝手に思い込んでいたのです。
でもそうではなかった……。
アンケートをしたのには理由がありまして、下記の日記では真珠潭を進めると書いたものの、どちらを書こうか、まだ迷っていたのです。このままだと、迷ったまま一年が終わるかもしれないと思い、読み手さんのご意見を聞いてみたくなって、アンケートをとった次第でした。
どちらにするか、自分の中では決まりましたので、あとは丁寧にこつこつとやっていきます^^8月の夏コミ日程合わせか9月6日の黒の日合わせで発行できたらいいなと思っています。
さて先週書いたSSです。セトさんという絵師さまのお描きになったパイロットセバスのイラストがとてもかっこよくて、触発されてパイロット設定でSSを書いてみました。
が、こちらのセバスはあまりかっこよくなりませんでしたww
あとで「短編」ページに収録しますが、とりあえずこちらに載せておきます。
アンラッキー★パイロット
「今日の空は最高だな、なぁキャプテン」
隣の男の機嫌が妙にいい。
こういうときにはたいていよくないことが起こると、セバスチャンは眉をひそめた。
だいたい、この男と自分は相性がよくないのだ。
テキサス航空から英国ファントム航空に移ってきた操縦士、バルドロイ。
半月前に同乗したときには、雲ひとつない晴天に突然積乱雲がわき、稲光がバチバチとむやみやたらと光る中をジャンボ機でつっきらなければならなかったし、一週間前に一緒に乗ったときは、エンジンに鳥が突っ込んで緊急着陸を余儀なくされた。
だから。
今日のフライトは用心しなければならない。
操縦桿を握る手に知らず知らず力がこもった。
「おいおい、そんなに緊張しなくたって、大丈夫だ。この俺がいるんだからな」
貴方がいるから逆に不安なんですよ、とセバスチャンは言い返したいが、下手に刺激するとあとが面倒だ。
だが──いくらなんでもこの匂いはひどすぎる。
離陸したときにはまだよかったが、だんだんと強くなる匂いにセバスチャンは閉口した。
「バルド、ゆうべはどこへ行ったんですか?」
「はぁあ?」
間の抜けた返事に苛立ち、横目で見れば、バルドは制帽を斜にかぶり、両手を頭の後ろで組んでいる。狭いコックピットで、自由にくつろいでいる姿に無性に腹が立った。
「隠したって無駄ですよ。アルコールの匂いがぷんぷんします」
「おいおい、セバスチャン。お前は俺の女房てか? 宵の口にバーでほんのちょっぴり飲んだだけさ。もう酒なんぞ残っちゃいねえ」
確かに、少しでもアルコールが残留していたら、搭乗前の呼気検査にひっかかるはずだ。体内には残ってないのだろうが……。
セバスチャンはハッとした。
「バルド。歯は磨きましたか?」
「は?」
「歯」
セバスチャンの声が一段と低くなったことに、バルドはてんで気づかない。
「うんにゃ、今朝はギリギリに起きちまったから、歯なんて磨く暇なかったぞ」
「ということは……」
「もちろん、磨いてないに決まってるだろ!!」
どうして、そこで堂々と胸を張るのだ!
なぜ、歯を磨かない!
畳一畳もない、狭苦しいコックピットに、無駄にでかい図体の男がふたり、ぎゅうぎゅうに詰めこまれることがわかっているのに!
聞いてしまったからか、アルコールに加えて口臭のような不気味な甘い匂いが漂ってきた気がする。
嗚呼。
こいつには気遣いというものはないのか。
思いやりとか優しさとかそういうものを持っていないのか!
セバスチャンはいますぐこの男を殴りたくなった。もう操縦なんてどうでもいい。後ろの乗客のことも一瞬──ほんの一瞬だけ忘れた。
セバスチャンが怒り悶えているのもつゆ知らず、バルドはアフゥ…と大きなあくびをした。
「なあ、セバスチャン」
「なんですっ」
「タバコ、吸いてえ」
「はあ?」
「はあ? じゃなくてさ、タバコ吸いてえんだ」
と、もぞもぞと制服の胸ポケットを触る気配がする。
「ちょ、ちょっと待ってください。コックピット内は禁煙です……というかタバコをここに持ち込むこと自体、社則違反です!」
「んなこたあ、わかってるぜ」
「ならどうしてそん……ッッ?!」
怒鳴りつけようと顔を向けた途端、唇の端にタバコをくわえた副操縦士が目に入った。
「バルド!?」
「ん? なんだ?」
セバスチャンはぱくぱくと口を開け閉めしながら、まばらなひげに囲まれたバルドの唇を見つめた。
「タ、バコ…………」
頭が真っ白になった。奪い取ろうにも操縦桿から手は離せない。
──信じられない。
ばくばくと心臓が音を立てて激しく打っている。
これが乗客ならすぐさまタバコを取り上げて、着陸までそいつをトイレに閉じ込めるだろう。
だが。
まさか副操縦士をトイレに押し込むわけにはいかない。
タバコから立ち上る灰色の煙がコックピットのガラスを覆い、視界が消えていくさまがありありと目に浮かんだ。
つぅうと脇の下から冷たい汗が流れ落ちる。
「おい、セバスチャン?」
固まったまま、セバスチャンは微動だにしない。
「おいったら」
バルドは腕を伸ばして、軽くセバスチャンの肩をゆする。
「なに固まってるんだ? あ、これか。タバコのことか」
気づいたバルドは、あははと笑ってさっきまでくわえていたタバコをセバスチャンに突き出す。
「ほら、よく見ろよ。ほら」
促されて視線を落とし、指先を見る。
「………………え?」
一瞬で呪いが解けた。
「これは……」
「そう、タバコじゃねえよ」
***
「シナモン、ですか?」
「おうよ、シナモンスティックていうのか? バーで頼んだカクテルについてきてさ。なんか洒落てるなって思って、持ち帰ったんだよ。ほれ、おサレだろ? シナモンくわえているパイロット、なんてさ?」
悦に入った顔をして、狭い椅子にからだをもたせかけている。
セバスチャンは天を仰いだ。
もういやだ。
人を散々脅かして、得意げな顔をするやつなんて大嫌いだ。
「……ええ、とってもクールですよ」
いやみたっぷりに返すと、
「やっぱそうだろ? お前も今度やってみろよ。シナモンスティックくわえてさ。きっと女にモテるぜ」
セバスチャンは絶句した。
もう言い返す気力さえない。
肩を落とし、ふと前を見れば、雲ひとつなかった空に、いつのまにか巨大な積乱雲がむくむくと湧き上がっている。黒雲の中に青白い稲光がいくつも光っている。
雲の脇から鳥の大群がこちらにやってくる。
さらにその上から──銀色の謎の飛行物体が何機も飛んでくる。
「そんな……!」
これは悪夢か幻か。
「バルド……どうしましょう」
呼びかけても返事がない。
「バルド?」
返事の代わりにすうすうと規則正しい寝息が聞こえる。
セバスチャンはギリギリと奥歯を噛んだ。
嗚呼。
どうしたらいいのだ。
積乱雲、稲光、鳥の大群、UFOがいっぺんに襲いかかってくる。
一体、どうしたら、この危機を乗り越えられるのだ。
わかったことはただひとつ。
この男とは絶対に一緒に飛んではならない。
絶対に──!
*読んでくださってありがとうございます*